何時まで寝てるんだ? | |
→准备睡到几点啊? | |
おはよう。目覚めたか? | |
→早上好!醒了吗? | |
いつまでも起きないから、眠り姫を起こす為にキスしてみた。 | |
→因为一直没醒来,我就试了下唤醒睡美人的吻。 | |
ふう~お姫様は休みの日だとほんっとに起きないなぁ~ | |
→恩~公主殿下在休息日果真是起不来呢。 | |
俺?ああ~ちょっと目が冴えて、だいぶ前から起きて窓の外を見てた。 | |
→我?啊~稍微活动一下眼睛,起来看了一下窗外。 | |
ほら、雪が積もってるんだ。 | |
→看,外面都积雪了。 | |
昨日の夜から降ってたらしい。 | |
→好像是昨天晚上下的。 | |
もうこれで一緒に雪を見るのが何回目かな~ | |
→像这样一起看雪已经是第几回了? | |
さすがの俺も数え切れなくなってきた。 | |
→果然,多得连我也数不清了。 | |
ん?どうかしたのか? | |
→恩?怎么了? | |
指輪が変ってる? | |
→戒指变了? | |
驚いたか? | |
→惊喜吗? | |
お前が寝てる間こっそり変えておいた。 | |
→趁你睡觉时偷偷换掉了 | |
お前の驚く顔が見たかったから。 | |
→因为想看你吃惊的表情。 | |
俺さ~ | |
→我啊~ | |
お前に言いたいことがあるんだ。 | |
→有话想对你说。 | |
聞いてくれるか? | |
→愿意听吗? | |
俺は今まで愛してるとか、好きとか、あんまりお前に言ってこなかったよな。 | |
→到现在为止,我到都没怎么对你说过,爱呀,喜欢之类的话吧。 | |
そんな簡単な言葉でお前に思いを伝えたくなかったから。 | |
→那是因为不想用如此简单的话语来表达对你的感情。 | |
だから、毎日愛してるって言う代わりに、これからの人生は、毎日お前に幸せだって思わせたい…… | |
→所以,与之相替,从现在开始的人生,我想让你觉得每天都很幸福…… | |
結婚しよう。 | |
→结婚吧。 | |
お前はどう思う? | |
→你觉得呢? | |
俺と結婚するの嫌か? | |
→你不想和我结婚吗? | |
何? | |
→什么~? | |
聞こえない。 | |
→听不见~。 | |
な、もう一回耳元で言って。 | |
→呐~在我耳边再说一遍。 | |
本当にいいんだな。 | |
→真的可以吧。 | |
後悔しないな。 | |
→不要后悔啊。 | |
俺と結婚して、いいんだな…… | |
→和我结婚,可以吧…… | |
ありがとう。 | |
→谢谢。 | |
お前とこれからも一緒にいられて嬉しい。 | |
→从今往后能和你在一起,我很开心。 | |
え? | |
→唉? | |
結婚する前に愛してるって言ってほしい? | |
→在结婚之前,想要我说‘我爱你’? | |
んっ、仕方ないなぁ~ | |
→额…真没办法。 | |
ただし、ほかの奴らが言うのと俺が言うのとではこの言葉の重みは違う、そのことよく覚えておけよ。 | |
→但是,别人说的可是和我说的重量不一样的哦。这一点,你要好好记住。 | |
愛してる。 | |
→我爱你! | |
もう、二度と言わないからな。 | |
→不会再说第二遍了哦。 | |
もう一回?! | |
→再说一次? | |
そんなこと言う奴にはお仕置きだ! | |
→说这种话的家伙该罚 | |
捕まえた! | |
→抓住了! | |
今日はもう少しだけ、このまま手繋いで寝てよ。 | |
→今天就这样,牵着手再睡一小会儿吧。 | |
たまにはこんな休日もいいだろう。 | |
→偶尔这样的休息日也不错吧。 | |
お休み。夢の中で会おうな~ | |
→好好睡,在梦里相见吧~ | |
---暮さらば 屋戸開け設けてわれ待たむ 夢に相見に 来むとふ人を--- | |
→『黄昏户儿开开,等待;梦中曾相会,那位人儿欲来。』 | |
夜が来たら、ドアを開けて貴方を待つ。 | |
→夜晚来临,就会开着门等你。 | |
夢で会おうと約束したから…… | |
→因为约好了,在梦里相见。 | |
手を繋いだまま、同じ夢を見続けよ。 | |
→就这样手牵着手,继续着同样的梦吧。 | |
十年後も、二十年後も、そんな幸せが続くよう。 | |
→十年也好,二十年也好,这样的幸福依然持续吧。 | |
醒めない夢を、お前とずっと見ていたい。 | |
→不醒的梦啊,想就这样永远看着你。 | |
もし生まれ変わって、まだお互いを見失ったら、今度も必ず、俺がお前を見つけに行くよ。 | |
→如果轮回转世,彼此再度迷失,这次也一定,我会去找寻你。 | |
絶対約束する。 | |
→绝对的,说好了。 | |
この世界に一人しかいないお前を…… | |
→这个世界仅有的一个你…… | |
愛してる | |
→我爱你。 |
2004年7月16日星期五
万叶恋歌-椿之章20
万叶恋歌-椿之章19
それから何年か経ち、俺は大人になった。 | |
→若干年之后,我已长大成人。 | |
相変わらず俺たちは一緒にいる。 | |
→还是老样子,我们依旧在一起。 | |
時には喧嘩をしたり、笑いあって、あたり前だけど、大切な毎日を過ごしながら、ここまでやってきた。 | |
→时而吵架,时而欢笑,虽然是理所当然,还是珍视着每一天,一步步走到这里。 | |
おい!前が持ってきた荷物はここでいいのか? | |
→喂!你拿来的行李,放这里就可以了吗? | |
え?違う?あっちの部屋? | |
→诶?错了?那个房间? | |
分かった。運んでおく。 | |
→知道了,我搬过去。 | |
お前はそっちよろしくな。 | |
→那边就拜托你了。 | |
俺は向こうの部屋で自分の荷物出してるから。 | |
→我会把自己的行李从对面房间拿出来的。 | |
ああ~でも、重い荷物があったら呼べよ。 | |
→啊~不过,行李太重的话就叫我啊。 | |
お揃いの食器、二人で選んだ家具、今日から俺たちは一緒に暮らし始める。 | |
→收拾干净的餐具,两人一起选的家具,从今天开始,我们将一起生活。 | |
ああ~あいつまたこんなところに荷物を広げたままにして…… | |
→啊~那家伙,居然又在这种地方把行李散得到处都是…… | |
まったく、仕方ないな~ | |
→真是的,拿她没辙~ | |
片づけてやるかぁ~ | |
→帮她收拾吧。 | |
これ、俺が返した椿の花のブローチだ。 | |
→这个,是我还给他的山茶胸针。 | |
ふ~あいつ、ずっと持ってたんだな。 | |
→呵~那家伙,原来一直带着呐。 | |
この椿の花のブローチのおかげで、俺たちは小さい頃合ってたことに気づいた。 | |
→多亏了这个山茶胸针,又想起了我们小时候相遇的事。 | |
俺がずっと持ってて、今度はあいつが持ってる。 | |
→一直都是我保管的,这次要由她保管了。 | |
んん、何だか不思議な気分だなぁ~ | |
→恩~不知为何有种不可思议的感觉。 | |
綺麗だ。 | |
→好美丽! | |
俺が拾った日のままだ。 | |
→就像我捡到它的那天一样。 | |
---大地も採り尽すとも世の中の尽くし得ぬのもは恋にしありけり--- | |
→『大地万物取可完,人间不竭物,惟有两相恋。』 | |
大地には地平線があるが、恋の思いには限りはない。 | |
→大地有它的地平线,思念的爱恋却没有边界。 | |
え?どっこに行ってたんだよ。 | |
→唉?要去哪里啊? | |
ここの片づけ終わってないだろう。 | |
→这里还没收拾完吧? | |
どうかしたのか? | |
→怎么了么? | |
はぁ~これか。 | |
→啊~这个吗? | |
いや、お前まだ椿の花のブローチを持ってたんだなぁって。 | |
→没什么啦,我想就要由你来保管这个山茶胸针了……。 | |
大切なものだから? | |
→因为是很重要的东西? | |
そうだな。お前にとっても大切なものだよな。 | |
→也对~对你来说也是特别重要的东西。 | |
ほら、こち来いよ。 | |
→来,过来这边。 | |
ブローチ、俺が付けてやる。 | |
→胸针,我给你别上。 | |
綺麗だ。 | |
→很漂亮! | |
今日からはそのブローチごとお前を絶対大切にしていく。 | |
→从今天开始,这个胸针和你我一定好好珍惜 | |
改めてよろしくな。 | |
→再一次,请多关照了! |
万叶恋歌-椿之章18
遊園地の帰り道、俺たちは寄り道をして、公園のベンチに座って話していた。 | |
→游乐园的归途中,我们绕了一小段路,在公园的长凳上聊了一会。 | |
お待たせ。 | |
→让你久等了。 | |
飲み物買ってきた。 | |
→我买了喝点回来。 | |
あついから気を付けて飲めよ。 | |
→很烫当心点喝。 | |
ん?お前、指輪ずっと見てるな~ | |
→恩?你一直看着戒指啊。 | |
そんなに見てるんなら早く付ければいいのに。 | |
→这样看的话,早点戴上不就好了~ | |
何?もったいなくて付けられない? | |
→什么?太贵重了所以无法戴? | |
まったく、お前って奴は…… | |
→真是的,我说你这家伙啊…… | |
その時だった。 | |
→就在那个时候 | |
俺と彼女の間に白いふわりとしたものが落ちてきた…… | |
→我和她之间落下了一片轻飘飘白色的东西。 | |
雪だ。 | |
→下雪了! | |
今年初めて見た。 | |
→今年还是第一次见呢。 | |
ふ~ははは~お前、頭の上に雪が付いてる。 | |
→(吹~)哈哈~你,头上粘着雪。 | |
でも、取ってやらない。 | |
→不过,不给你取下来。 | |
ふ~怒るなよ。 | |
→呵呵~别生气嘛。 | |
だって、このままにしておけば、雪がウェディンぐドレス白いベールみたいになりそうだろう。 | |
→因为,就这样的话,雪花就变得就好像结婚礼服的白纱一般,不是吗。 | |
な、さっき渡した指輪貸してくれないか? | |
→呐~刚才给你的戒指能不能借我用一下? | |
ほら、左手出せよ。 | |
→来,伸出左手。 | |
俺は病める時も健やかなる時も、お前を妻とし、一生を愛することを誓います。 | |
→无论疾病还是健康,我发誓将你作为妻子,并爱你一生。 | |
この指輪を、左手の薬指に嵌めておく。 | |
→请把这个戒指,套在左手的无名指上。 | |
後もう一つ、これが誓いのキスだ。 | |
→然后还有一件事,(亲~),这是誓言之吻。 | |
これでお前は全部俺のものだ。 | |
→这样,你就完全成为我的了。 | |
まあ~今のプロポーズは予行練習だ。 | |
→好吧~现在的求婚算是预备练习。 | |
約束する。 | |
→我保证 | |
いつかちゃんとした形で、もう一度お前にプロポーズする。 | |
→总有一天会正式得,再一次向你求婚的。 | |
言っとくけど、俺は実現できると思ったことしか口に出さない。 | |
→说真的,我可是从不做没有把握的保证。 | |
俺が、お前に白いウェディングドレスを着させてやるよ。 | |
→我,一定会让你穿上洁白的婚纱。 | |
こうやって雪が降る寒い夜は、ずっと手を繋いでいてやる。 | |
→像这样下雪的寒夜,会一直握着你的手。 | |
お前の冷たい手は、俺が温める。 | |
→你冰冷的手,由我来温暖。 | |
そうやって、これからも手を繋ぎ合って、ずっと一緒にいたいんだ。 | |
→就这样,从今往后也手牵着手,想永远在一起。 | |
---刈り薦の一重を敷きてさ寝れども君とし寝れば寒けくもなし--- | |
→『割菰草,只铺一层眠;有君双共枕,不觉寒。』 | |
どんなに寒い夜も、貴方と二人でいれば、ちっとも寒くない。 | |
→无论怎样寒冷的夜晚,只要和你在一起,就感觉不到丝毫寒意。 | |
待って、返事は聞かなくても分かる。 | |
→等等,即使没有听到答案我也知道。 | |
だって、俺たちは運命の赤い糸で繋がってるから。 | |
→因为,我们是被命运的红线系在一起的。 | |
未来は、俺たちがこれから二人で決めて行こうな~ | |
→我们就此,并肩走向未来吧。 |
万叶恋歌-椿之章17
冬休み初日、彼女のリクエストに答えって、俺たちは遊園地へやって来た。 | |
→寒假第一天,我答应了她的要求,一起来到游乐园。 | |
いろいろな乗り物に乗り、彼女は子供みたいにはしゃいでいた。 | |
→玩了很多游艺项目,她就像一个孩子一样。 | |
ふと気付くと閉園時間を告げるアナウンスがなっていた。 | |
→回过神来,已经响起了通知闭园的广播。 | |
ああ~結構いろいろ乗ったな~ | |
→啊,真的玩了好多啊 | |
メリーゴーランドにジェットコースター、コーヒーカップだろう。 | |
→旋转木马,过山车,旋转咖啡杯 | |
後はぁ…… | |
→之后是…… | |
ん?何だぁ? | |
→恩?什么? | |
最後に観覧車に乗りたい? | |
→最后想坐摩天轮。 | |
はぁ~俺はいいぞ。 | |
→啊~我是没问题啦。 | |
もう後一時間で閉園だし、観覧車で最後にするかぁ~ | |
→还有一个小时就闭园了,就坐摩天轮玩到最后吧。 | |
へええ~俺観覧車って初めて乗ったかもしれない。 | |
→诶~我大概是第一次乘游览车。 | |
結構高くまで登るんだなぁ~あれが学校か。 | |
→升得可真高啊~那是学校吧。 | |
じゃあ、あそこが俺の家か? | |
→那么,那边是我家? | |
お前の家は…… | |
→你家…… | |
あっちか? | |
→是那里吗? | |
ここからだと夜景が綺麗に見えるんだな~ | |
→从这里可以看到美丽的夜景吧。 | |
観覧車に乗らなきゃ気付かなかった。 | |
→不坐摩天轮的话还真不会注意到这点。 | |
今日一日、楽しかったか? | |
→今天一整天,开心吗? | |
そっか。楽しかったならよかった。 | |
→是吗~开心的话就好。 | |
俺? | |
→我? | |
俺はお前と一緒にいれば、どんなことだって楽しいに決まってるんだろう。 | |
→我只要和你在一起,无论在什么地方,肯定都会很开心吧。 | |
そうだ。お前に渡したい物があった。 | |
→对了,有东西要给你。 | |
これは俺からお前への愛の印。 | |
→这是我对你爱的印记。 | |
手出して。目閉じれよ。 | |
→伸出手来,闭上眼睛。 | |
もう開けてもいいぞ。 | |
→好了,可以睁开了。 | |
小さくてびっくりしたか? | |
→有没有一点小惊喜啊。 | |
この箱の中に何が入っているのか、自分で開けて確かめてみろよ。 | |
→这个盒子里放了什么,自己打开看看吧。 | |
この指輪、お前にやる。 | |
→这个戒指,是给你的。 | |
何? | |
→什么? | |
受け取れないって! | |
→你不能接受? | |
どうして? | |
→为什么? | |
別に高いものじゃないから安心しろう。 | |
→也不是什么很贵的东西,你就放心吧。 | |
それに、指輪を渡したからって、付ける付けないはお前次第だ。 | |
→尽管如此,戒指是交给你了,要不要戴还是取决于你。 | |
お前が決めろ。 | |
→由你决定。 | |
だけど、俺はそれを半端な気持ちでやるわけじゃない。 | |
→话说回来,我可不是抱着半吊子的心情才这么做的。 | |
もうどう言う意味か分かるよな。 | |
→你已经知道是什么意思了吧。 | |
---妹も我れも一つなれかも三河なる二見の道ゆ別れかねつる--- | |
→『妹与我,共为一体;三河国二见道[地名]上,难以别离。』 | |
貴方と私は一心同体だから、分かれることなんてできない。 | |
→因为你和我是一心同体的,所以无法分离。 | |
俺たちはお互いを繋いでいる赤い糸が見えないから、お前にこの指輪をやる。 | |
→因为那条连接彼此的红线无法看见,就给了你这个戒指。 | |
この指輪は俺とお前を繋ぐ赤い糸の代りだ。 | |
→这个戒指就是那根红线的替代。 | |
目に見える赤い糸も悪くないだろう。 | |
→能看见的红线也不错吧。 | |
もし明日、まだお前と離れ離れになることがあったら、俺はこの指輪を頼りにお前を探す。 | |
→如果明天,又要和你分开,我会依靠这个戒指找寻你。 | |
だから、お前に持っていたほしいんだ。 | |
→所以,希望你带在身边。 |
万叶恋歌-椿之章16
生徒会の後輩たちが開いたクリスマスパーティーに俺は呼ばれていた。 | |
→我被邀请去参加学生会的后辈们举办的圣诞舞会。 | |
楽しい時間をあっと言う間に経ち、明日から冬休みと言うことで、みんな早目に解散を始めていた。 | |
→愉快的时光晃眼见就过去了,明天开始就是寒假,大家便早早开始散场。 | |
彼女と一緒に帰る約束をしていた俺は、彼女が教室に忘れものを取りに行っている間、一人で待っていた。 | |
→约好和她一起回家的我,在她回去取忘在教室里的东西时,一个人等着。 | |
遅いなぁ~あいつ……なかなか戻ってこない。 | |
→好慢啊~那个家伙……怎么还没回来。 | |
飲み物買ってるのか? | |
→买喝的去了? | |
でも、それにして遅すぎるだろう。 | |
→但是,就算如此也还是太慢了吧。 | |
ちょっと見てくるかぁ…… | |
→还是去看看吧。 | |
はあ~廊下は寒いなぁ~ | |
→啊~走廊里好冷。 | |
ん?あいつ…… | |
→嗯?那家伙…… | |
あんなところで何やってるんだ? | |
→在那种地方做什么啊? | |
体育館横の垣根を見つめている彼女を見つけた。 | |
→我发现了正在注视着体育馆外横栅栏的她。 | |
おい!そんなところでなんにやってるんだ? | |
→喂!你在这种地方干什么? | |
どうした? | |
→怎么啦? | |
なかなか帰ってこないから迎えに来たんだぞ。 | |
→很久都等不到你回来,于是来接你了。 | |
彼女はこれっと垣根を指差した。 | |
→这个,她仿佛说明般指着栅栏。 | |
その方向を見ると、地面に一つだけ白い椿の花が落ちていた。 | |
→顺着方向望去,地上躺着一朵掉落的白山茶。 | |
あぁ~椿か…… | |
→啊~山茶啊! | |
椿の花は綺麗に咲いたまま落ちる。 | |
→山茶花在绽放得正绚丽时落地了。 | |
この落ちてる花も寿命が分かったから、自分で落ちたんだろう。 | |
→这掉落的花朵是知道自己寿命不久,才(在最绚丽的时候)自己掉落的吧。 | |
可哀相? | |
→好可怜? | |
んん、そうだなぁ~ | |
→嗯,也是~ | |
でも、こうしてやれば、この椿はまた綺麗に咲くことができる。 | |
→不过,这么做的话,这朵山茶就能再次绽放了。 | |
ほら、こうやって、お前の髪に飾るは咲いてるみたいだろう。 | |
→看,像这样,戴在你的发间,就像正在盛开一样吧。 | |
お前に白い椿はよく似合う。 | |
→纯白的山茶很称你。 | |
綺麗だ。 | |
→真漂亮。 | |
な~今、俺が考えてること、分かるか? | |
→呐,现在,知道我在想什么吗? | |
分からない? | |
→不知道? | |
お前わざとじゃないよな。 | |
→你该不是故意的吧。 | |
ま、いや、教えてやるよ。 | |
→算了,告诉你吧。 | |
お前のキスがほしい…… | |
→我想要你的吻。 | |
ふう~ずっとこうやってお前とキスしたかった。 | |
→(亲……)呵~一直~就想像这样吻你。 | |
ようやく夢が叶ったよ。 | |
→终于,美梦成真了。 | |
どうした? | |
→怎么了? | |
恥ずかしい? | |
→难为情? | |
ふう~大丈夫、照れてるお前も可愛いよ。 | |
→呵呵~没关系,害羞的你也很可爱。 | |
---青山を横切る雲のいちしろく我れと笑まして人に知らゆな--- | |
→『一似青山白云绕;分明是,对我笑,——莫使人知道。』 | |
人目につくように貴方と微笑みあっているのが、人に知られませんように…… | |
→如此出众的你和你的笑容,真的不想被别人看见。 | |
この先もずっとこうして彼女を抱きしめていたい。 | |
→此刻,多想就这样一直抱着她。 | |
ようやく会えた俺の運命の人を、もう放したくない…… | |
→好不容易才遇见的命中注定的人,已经不想再放开了…… | |
俺は、ずっと心の中でそう願っていた。 | |
→我一直在心中不断祈求着。 |
万叶恋歌-椿之章15
俺は一人で屋上のフェンスを寄り掛かって空を見ていた。 | |
→我独自一人靠着屋顶的栅栏仰望着天空。 | |
生徒会の引き継ぎも無事終わったし。 | |
→学生会的交接也顺利结束了。 | |
俺、もう生徒会長じゃないんだな~ | |
→我已经不再是学生会长了呐~。 | |
その時、屋上のドアが開いて、彼女が入ってきた。 | |
→这个时候,楼顶的门被打开,她走了过来。 | |
遅かったな。 | |
→迟到了呢。 | |
もう熱下がったのか? | |
→烧退了吗? | |
まったく、俺の前で倒れるなんて、本当いい度胸をしてる。 | |
→真是的,在我面前这样晕倒,真是考验了一下我的胆识呢。 | |
ふんふん~嘘だよ。 | |
→呵呵,骗你的。 | |
そんな顔するなって。 | |
→别摆出这样的表情嘛。 | |
そうだ。これを渡したかったんだ。椿のプローチ。 | |
→对了,早想把这个还给你了,山茶花的胸针。 | |
これはお前のものだから、返す。 | |
→这原本就是你的东西,还给你。 | |
本当はあの日ちゃんと返せればよかったんだけど。 | |
→其实,应该那天就还你的 | |
それどころじゃなかったから。 | |
→却没合适的机会。 | |
お前のもので……間違いないか? | |
→这的确是你的东西,没错吧? | |
そっか……やっぱり、初恋の女の子っはお前だったんだなぁ。 | |
→是吗……果然,我初恋的女孩就是你啊。 | |
な、改めて聞いてほしことがある。 | |
→呐~有句话一定想问你。 | |
俺は、お前に会いたくて、まだ会える日をずっと夢見てた。 | |
→我一直想见你,一直梦想着能再见的一天。 | |
会った頃は初恋の女の子とお前は別々の人じゃないかって思ったこともあった。 | |
→见到的时候,我也曾怀疑你是不是就是那个我初恋的女孩。 | |
心のどこかでは確信してたけど…… | |
→虽然内心某处对此坚信不疑 | |
俺は、お前が思いださない限り、怖くて聞けなかった。 | |
→但是在你回想起这些以前,始终没有勇气问出口。 | |
でも、お前と一緒にいるうちに、いいところとか、だめなところとか、いろいろなお前を知っていくうちに、お前自身が好きになってた。 | |
→但是在和你相处后,知道了你的优点,缺点,你的很多面,便渐渐喜欢上了现在的你。 | |
今なら分かる。 | |
→现在我已经明白 | |
お前が初恋の女の子じゃなくても、俺はお前に恋していた。 | |
→即便你不是我的初恋,我也已经爱上你了。 | |
お前が好きだ。 | |
→我喜欢你 | |
もうこの手を放したくない。 | |
→已经不想放开这双手了。 | |
俺と付き合え! | |
→和我交往吧。 | |
赤い糸が本当にあるのなら、お前と繋がっているような気がするんだ。 | |
→如果真的有红线,我相信那头系着的肯定是你。 | |
俺たちの赤い糸の長さを、もっと縮めたい。 | |
→真想将我们之间的红线再缩短些。 | |
見えなくてもいいから、お前の赤い糸は俺と繋がっているって、実感してほしい。 | |
→即使看不见,也请相信你的红线和我是相连的。 | |
言っとくけど、お前に断る権利はないぞ。 | |
→有言在先,你可没有拒绝的权利哦。 | |
何年待たされたと思ってるんだ? | |
→你想让我等多少年? | |
---君が行く道の長手を繰り畳み焼き滅ぼさむ天の火もがも--- | |
→『愿君长行路,垒成堆;能得昊天火,一炬化成灰。』 | |
貴方が歩いて行く道を全部手繰り寄せて、焼いてしまえるような奇跡の炎がほしい。 | |
→想要得到能够烧尽那些,让你从我身边远离的道路的奇迹之火。 | |
彼女は少しの間があってから、ギュッと俺の肩にしがみ付いてきた。 | |
→她愣了一下,然后靠在我的肩上 | |
そして、小声で俺がずっと欲しかった言葉を言ってくれた。 | |
→然后,小声回答我说:我也一直这么希望。 | |
それ、本当か? | |
→这是……真的吗? | |
お前も俺のことが好きって、今そう聞こえた。 | |
→我好像听见你说喜欢我? | |
嘘じゃないよな。 | |
→不是骗人的吧? | |
ありがとう。 | |
→谢谢你。 | |
すごく嬉しい。 | |
→真是太高兴了……。 | |
俺の初恋はお前だ。 | |
→我的初恋肯定是你。 | |
今なら自信を持ってやる。 | |
→现在的话,我绝对有信心。 | |
だから、これからずっと傍にいてくれ。 | |
→所以,今后就一直待在我身边吧。 | |
もしお前が俺を忘れても、また絶対に思い出させてやる。 | |
→就算你把我给忘了,我也一定会再让你全部想起来。 | |
もう絶対に放さない。 | |
→已经绝对不会再放手了! |
万叶恋歌-椿之章14
外はもう真っ暗で、街灯の明かりが寂しそうに道を照らしている。 | |
→天色已黑,明亮的路灯照耀着寂寞的街道。 | |
彼女は少し後ろから、俺に呼びかけた。 | |
→她从身后叫住我。 | |
振り返ると、少しの間があって、彼女は全部思い出したと呟いた。 | |
→转过身,过了片刻,她轻声道,我全部想起来了。 | |
それって、どう言う意味だ? | |
→这,这是……什么意思? | |
全部って…… | |
→全部是……? | |
彼女は父親の転勤で、一時期雪が多い地方に住んでいた。 | |
→她说,由于父亲工作的关系,曾经有一段时间在多雪的地方住过。 | |
友達が近所にいなくて、よく近所のおばあさんの家に行っては、一緒に遊んでもらっていたある日、彼女は俺を見つけた。 | |
→家附近没有朋友,所以经常去奶奶家玩,某天玩耍的时候,发现了我。 | |
見たことのない子だったが、困っていたので、雪だるまを作るのを一緒に手伝った。 | |
→对没见过的孩子,虽有些怕生,但是还是帮忙一起堆了雪人。 | |
時間を忘れてっ手伝っていたが、不意にあたりが暗くなっていることに気づいた。 | |
→堆着堆着一时忘了时间,注意到的时候天已经开始暗了下来。 | |
その時、俺と指きりを交わした。 | |
→那个时候,还和我拉勾勾做了约定。 | |
しかし、その後すぐに父親の転勤が決まり、その町から出て行ったそうだ。 | |
→但此后不久,由于父亲工作再次调动,她搬离了那个小镇。 | |
やっと、思い出してくれたんだな。 | |
→你终于…想起来了啊~。 | |
俺は……お前にずっと会いたかった! | |
→我……一直好想见你。 | |
ずっと会いたかったんだよ! | |
→一直想见到你啊…… | |
---近江の海辺は人知る沖つ波君をおきては知る人もなし--- | |
→『近江[地名]岸边,水浅人识;汪洋深海底,君之外,更有谁知。』 | |
私がどう言う人かはみんな知っている。 | |
→我是怎么的人,大家都知道。 | |
でも、内面に隠された激しさは、貴方以外知らない。 | |
→但惟独你才了解,我内心暗藏的激情。 | |
いろいろな気持ちが溢れてきても、言葉にできなくて、俺は、手の中にある椿のプローチをずっと見つめていた。 | |
→心中百感交集,却难以言表,我只能,一直注视着手中的山茶花胸针。 |
万叶恋歌-椿之章13
肩を叩かれて、俺は顔を上げた。 | |
→感觉肩膀被碰了碰,我抬起头。 | |
いつの間にか、彼女の隣で眠っていたらしい。 | |
→不知什么时候,我好像在她身旁睡着了。 | |
ん?ああ~起きたのか? | |
→恩?啊~你醒啦? | |
ごめん。寝てた。 | |
→抱歉,我睡着了。 | |
何で謝るんだよ。 | |
→为什么道歉。 | |
倒れたことなんか俺は別に気にしてない。 | |
→晕倒的事我不觉得麻烦啦。 | |
それより、もう熱は大丈夫なのか? | |
→比起这个,你的烧退了吗? | |
んん、おでこもさっきより熱くはない。 | |
→(摸~)恩,额头没刚才烫了 | |
顔色もよさそうだな。 | |
→脸色也好多了。 | |
じゃ、具合がよくなったところでそろそろ帰るか。 | |
→那么,趁着身体状况好一些,我送你回家吧。 | |
鞄を取ろうと俺が立ち上がった瞬間、制服の胸ポケットから、椿のプローチが落ちた。 | |
→想着要去拿包,就在我站起来的瞬间,山茶花的胸针从制服前胸口袋里掉了出来。 | |
おっと、危ない! | |
→啊,危险! | |
は~よかった。割れてなさそうだな。 | |
→~太好了,看样子没有坏。 | |
どうした?帰るんだろう。 | |
→……怎么了?准备回去吧? | |
彼女は驚いた表情で俺の手の中にある椿のプローチを指差した。 | |
→她一脸惊讶地指着我手里的山茶花胸针。 | |
これ? | |
→这个? | |
ああ~小さい頃拾ったんだ。 | |
→阿~是小时候捡的。 | |
俺のお守りみたいなものだ。 | |
→就像我的护身符一样。 | |
初恋の女の子が忘れていたみたいで...うんん、いや、なんでもない。 | |
→我初恋的女孩子似乎忘了这事……唔~算了,没什么。 | |
え?これ……自分のかもしれない?! | |
→诶?这个……说不定是自己的? | |
---恋は今はあらじとわれは思へるを何処の恋そつかみかかれる--- | |
→『道是,如今已无恋;何处恋竟至,将我拘缠。』 | |
もう何も心に留めない。そう思ってたのに。 | |
→原以为在心中已经不留痕迹 | |
偶然の重なりは私に掴みかかる。 | |
→偶然的重逢,却再次将我紧紧抓住。 | |
二人で保健室を出た後も、彼女は何かを思い出すように、ずっと黙り込んでいた。 | |
→我们离开保健室后,她仿佛回忆起什么似的,一直沉默着。 |
万叶恋歌-椿之章12
保健室に彼女を運んで、ベットに寝かせた。 | |
→把她送去保健室后,让她躺在床上。 | |
保険医は少し寝てれば目が覚めるからと言って、職員室に戻って行った。 | |
→保健医生说了句:睡一会就醒了。便回到了职员室。 | |
はあ~まったく、人騒がせな奴。 | |
→啊~真是个麻烦的家伙。 | |
熱があるなら早く言えよ。 | |
→发烧了就早点说嘛。 | |
俺は彼女の手を強く握った。 | |
→我紧紧握着她的手。 | |
な~聞いてほしいことがあるんだ。 | |
→呐,你好好听着。 | |
お前が思い出さないなら、言うつもりはなかった。 | |
→原本你没想起来的话,我不打算说的。 | |
でも、やっぱり言いたい。 | |
→但……还是忍不住。 | |
俺の初恋はお前なんだ。 | |
→我的初恋就是你。 | |
顔も曖昧にしか覚えてなかったし、本当にお前かって、何度も疑った。 | |
→虽然脸已经有些模糊记不太清了,但一定是你。曾经好几次怀疑过 | |
でもな、お前と一緒にいて、いろいろなお前を知て行くたびに、確信したんだ。 | |
→但,和你在一起久了,开始慢慢地了解你,让我确信了。 | |
俺の運命の赤い糸はお前と繋がっている。 | |
→我命运的红线是和你相连的。 | |
俺は、お前の笑い顔とか、怒った顔とか、拗ねてる顔も…… | |
→你欢笑的样子,你生气的样子,你撒娇的样子,你的一切…… | |
全部……全部が好きなんだ。 | |
→一切我都喜欢。 | |
お前じゃなきゃだめなんだ。 | |
→非你不可 | |
好きで好きでどうしようもないんだ。 | |
→无论如何都喜欢。 | |
早くお前の目を見て、ちゃんと伝えたい。 | |
→好想看着你的眼睛,早早地把这些全都传达给你。 | |
お前が好きだって、もう絶対迷わない。 | |
→我喜欢你,已经绝不会犹豫了。 | |
お前の心の中を、俺の好きって気持ちで全部満たしてやりたい。 | |
→多么希望,我喜欢你的心情,可以填满你的心…… | |
---君に恋いいたもすべなみ奈良山の小松が下に立ち嘆くかも--- | |
→『恋君苦,难又难;奈良山[地名]上小松下,只自伫立叹。』 | |
貴方が恋しくて仕方がないので、今貴方を思いながら、隠れて泣いている。 | |
→情不自禁地爱着你,如今相思如潮却只能在暗处默默哭泣。 | |
風の音が聞こえる。 | |
→能听见外面的风声 | |
俺は、返事のない彼女の手を握りながら、窓を叩く、風の音だけを聞いていた。 | |
→我握着那个没有给我答案的少女的手,只能听见风轻叩窗户的声音。 |
万叶恋歌-椿之章11
いつの間にか、日差しが落ちるのが早くなっていた。 | |
→不知从什么时候开始,太阳下山渐渐早了。 | |
新しい生徒会長も決まり、俺は引き継ぎに終われていた。 | |
→新一届的学生会主席确定,我也完成了交接工作。 | |
ふと気づくと生徒会室には二人だけになっていた。 | |
→回过神来,学生会室里有只有我们两个人了。 | |
二人きりの長い沈黙に耐えられなくなった俺は、自分から彼女を話しかけた。 | |
→无法忍受两人之间垄长的沉默的我,便主动向她搭话。 | |
ほかの役員たちも帰ったし、俺たちもそろそろ帰るか。 | |
→别的同学都已经回了家,我也差不多准备走了。 | |
どうした? | |
→怎么了? | |
さきから黙ってるけど。 | |
→从刚才开始就一直不说话。 | |
そう言えば、今日はいつもより静かだな~ | |
→说起来,今天你相比平时安静多了呐。 | |
顔も赤いし、足もふらふらしてる。 | |
→脸红红的,脚也在发抖。 | |
何?少し風引いてる? | |
→怎么?有些感冒? | |
仕方ないな。家まで送っててやるよ。 | |
→真拿你没办法,我送你回家吧。 | |
言っておくけど、今日だけだからなぁ。 | |
→有言在先,下不为例哦。 | |
少しの間があって、彼女は俺の目をまっすぐに見つめた。 | |
→有一小会儿,她直直地凝视着我的眼睛。 | |
ん?どうかしたか?帰るんだろう。 | |
→恩?怎么了?一起回去吧? | |
俺がそう言うと、彼女は机の上を片付け始めた。 | |
→我那么说着,她便开始收拾桌上的东西。 | |
その様子を見つめていると、不意に立ち上がった彼女が、目の前でゆっくりと倒れた。 | |
→我注视着她的一举一动,可她却在突然站起时,缓缓地倒在了我的面前。 | |
おい!どうしたんだよ! | |
→喂!你怎么了? | |
すごい熱がある。 | |
→烧得好厉害! | |
しっかりしろ!目を開けろうよ! | |
→振作点,快睁开眼! | |
だめだ!全然起きない。 | |
→这样不行,完全醒不过来! | |
早く保健室に運ばないと!まだ先生いるよな…… | |
→不快点送保健室的话,老师应该还在吧…… | |
もっとちゃんと見ててやればよかった…… | |
→要是更加注意你一点就好了 | |
本当にごめんな。 | |
→真的很抱歉。 | |
彼女を抱えると、俺は保健室へ駆け出した。 | |
→我抱起她,向保健室飞奔而去。 | |
---わが背子にまたは逢はじかと思へばか今今朝の別れのすべなかりつる--- | |
→『莫非心想,与君不能再相逢;今朝离别,心忡忡。』 | |
別れの予感がする。 | |
→分别在即的预感开始在心中滋生 | |
悲しい気持ちがもう終わりのサインを告げる。 | |
→悲伤的感觉似乎在暗示我,一切即将终结。 | |
頭の中が真白になる。 | |
→脑海中一片空白 | |
何で俺は彼女の様子が可笑しいことに気づかなかったんだろう。 | |
→为什么我没能察觉她不同寻常的反应呢。 | |
いつだって、一番に彼女のことを考えてた... | |
→曾几何时,明明都是先考虑她的事情 | |
一番に見てたはずなのに…… | |
→都先注意到她的一举一动…… | |
頭の中ではこのまま彼女はどうなってしまうんだろうと言う悲しい想像が浮かんでは消えた行った。 | |
→这样下去的话她会变成什么样?脑中浮现出这般悲观的想法,想着想着那景象便渐渐隐去。 |
万叶恋歌-椿之章10
文化祭から数日経った。 | |
→文化祭过后的某天。 | |
放課後、俺は生徒会室に行く途中、一人で歩いている彼女を見つけた。 | |
→放学后,我在去学生会室的路上,看到了孤单一人的她。 | |
声をかけようか悩んでいると、彼女は俺の姿に気がついたのか。 | |
→正犹豫要不要打招呼时,她好像也看到了我 | |
こっちへ向かってきた。 | |
→朝这边走来。 | |
これから生徒会に行くのか? | |
→要去学生会? | |
あ、俺も。 | |
→啊,我也是。 | |
え、元気がない? | |
→诶,不舒服? | |
そんなことはない。 | |
→没那回事。 | |
ただ、ちょっと悩み事あるだけだ。 | |
→只是,有点烦心事而已。 | |
悩み事なら相談に乗る? | |
→心烦的话可以找你聊聊? | |
じゃ~お言葉に甘えようかな~ | |
→那~我就不客气了~ | |
お前は、初恋の人って覚えてるか? | |
→你还记得你的初恋吗? | |
覚えてない。 | |
→不记得了。 | |
そっか。 | |
→这样啊。 | |
実は、ずっとそのことで悩んでるんだ。 | |
→实际上,我一直在为这件事烦恼。 | |
小さい頃一緒に雪だるまを作った女の子がいるんだ。 | |
→小的时候,有个女孩和我一起堆过雪人。 | |
それ以来会ってないけど、ずっと忘れられない。 | |
→那之后虽然没有再见过,可是我一直没能忘记她。 | |
やっぱり自分がこの世に生まれてきて、一番最初に恋をした人だからかな。 | |
→毕竟,她是我出生后第一个喜欢上的人吧。 | |
今も初恋の女の子の夢をときどき見るころがある。 | |
→现在也时常会梦到她。 | |
その夢を見た朝は、絶対に悲しい気持ちになるんだ。 | |
→每次做了这样的梦,早晨醒来后就会觉得有点悲伤。 | |
何?もう一度初恋の女の子に会いたいから悩んでるかって? | |
→什么?因为想再见她一面所以烦恼? | |
ふんふん~あたり。さすがだな。 | |
→呵呵~答对了~不愧是你啊。 | |
ずっと考えてたんだけど。 | |
→我一直在想 | |
初恋の女の子に会ったら、面と向かって言いたいことがあるんだ。 | |
→如果见到那个初恋的女孩,一定要当面对她说 | |
俺は、出会った時からずっと好きだった…… | |
→我从遇到你的时候开始,就一直喜欢你…… | |
今も…… | |
→现在也是…… | |
忘れた日なんてないって…… | |
→从没有一天忘记过…… | |
---秋の木の下隠り行く水の我れこそ増さめ思ほすよりは--- | |
→『秋山树下水,潜流长;较君相思意,我恋深更强。』 | |
表には出さないけど、私のほうが貴方を思っている。 | |
→从外表或许无法看出,我在想念着你 | |
貴方が私を思うよりも。 | |
→一定比你想念我更甚…… | |
俺は彼女の目をまっすぐ見つめた。 | |
→我直视着她的眼睛。 | |
心の中でお前に言ってるんだ。 | |
→在心中不断地呼喊 | |
お前が俺の初恋なんだと、何度も呼びかけた。 | |
→我在对你说啊!你就是我的初恋啊! | |
胸が苦しくて、呼吸がうまくできない。 | |
→胸口好痛,无法呼吸。 | |
早くこの気持が彼女に伝わればいいのに…… | |
→能早一点把我的心情传达给她就好了…… | |
彼女が全部思い出してくれればいいのに…… | |
→她能早一点回忆起一切就好了…… |
万叶恋歌-椿之章09
文化祭が終わり、俺は一人で報告書を作っていた。 | |
→文化祭结束了,我正一个人写报告。 | |
ああ~こんなものか。 | |
→啊~这样就行了吧。 | |
あとで職員室に出せば終わりかな。 | |
→等会儿交到办公室就完事了。 | |
ああ、外も真っ暗だな。 | |
→啊,外面已经这么黑了。 | |
そろそろ片付けてるあいつを探しに行って帰るとするかぁ~ | |
→也差不多该收拾收拾找她一起回去了吧~ | |
生徒はほとんど下校していて、物音がしない。 | |
→学生差不多都回家了,一点声音都没有。 | |
夜の校舎って本当、不気味だよな。 | |
→晚上的校舍还真够阴森的。 | |
早く見つけて帰るか。 | |
→快点找到她就回去吧。 | |
長い渡り廊下渡りきって角を曲がったその時、何かにぶつかった。 | |
→走过长长的走廊,经过拐角时,我撞到了什么。 | |
なっ!女の子だ。大丈夫ですか? | |
→啊!是个女孩。不要紧吧? | |
俺はぶつかった女の子を立ったせようと、手を差し伸べたところで気がついた。 | |
→当我想帮助她站起来而伸出手后,才注意到… | |
お前だったのか! | |
→原来是你! | |
ごめんな、驚かせて。 | |
→对不起,吓到你了。 | |
怪我とかしてないか? | |
→有没有受伤? | |
あれ、お前、泣いてないか? | |
→啊,难不成,你在哭吗? | |
何?泣いてない?嘘つけえ。 | |
→什么?没哭?别骗人了。 | |
ちょっと涙目になってるぞ。 | |
→明明泪眼朦胧的样子。 | |
手見せてみろ。 | |
→让我看看手。 | |
あ、ちょっと擦り剥いてるなぁ。 | |
→啊,有点擦伤 | |
後で手当てしてやるよ。 | |
→等会帮你包一下。 | |
お前、まさか俺のことを探してたのか? | |
→你莫非是在找我? | |
偶然だな。 | |
→真巧啊。 | |
俺もお前を探してる途中だった。 | |
→我也正找你呢。 | |
こんな形で会えると思わなかったけど、会えてよかった。 | |
→虽然没想以这种形式见面,不过,能见到你真是太好了。 | |
ふん~これも一つの運命だよな。 | |
→呵呵~这也是一种命运…是吧 | |
---天土の極のうらに吾が如く君に恋ふらむ人は実あらじ--- | |
→『天之涯,地之角;如我恋君情,人中难找。』 | |
空の果てにも、地の果てにも、私ぐらい貴方を思っている人はどこにもいない…… | |
→天涯海角,无论何处,都不会再有人如我这般思慕着你…… | |
俺は彼女の手を放すのを忘れて、ずっと握っていた。 | |
→我忘记放开她的手,就这么一直握着。 | |
いつもの彼女なら、すぐに手を放せと言うのに、今日だけはなぜか大人しくなった。 | |
→若是平时,她早就吵着要我放手了。可今天,不知何故,她却出奇地安静。 | |
もし運命が存在するなら、このまま時間を止めてめてほしい。 | |
→如果命运真的存在,真希望时间就这样停留在这一刻。 | |
月明かりの俺たちを照らず、その陰に赤い糸が映っていないか…… | |
→月光撒在我们身上,月影中是否也会映出命运的红线呢 | |
俺は必死に探していた。 | |
→我拼命地寻找着…… |
万叶恋歌-椿之章08
文化祭も無事に終わり。 | |
→文化祭顺利结束了。 | |
校庭でば後夜祭が開かれていた。 | |
→校园里举行了后夜祭。 | |
生徒たちの賑やかな雰囲気には入れない俺は、一人で生徒会にいた。 | |
→无法融入同学们热闹氛围之中的我,一个人呆在学生会。 | |
文化祭もこれで終わりか。 | |
→文化祭也终于结束了啊。 | |
ああ~生徒会長も楽じゃないぜ。 | |
→啊~学生会长也不轻松啊。 | |
その時、ドアが開いた。 | |
→这时,门开了。 | |
なんだ?お前かぁ。どうした? | |
→什么啊?是你呀。怎么了? | |
ほかの役員たちが探してだぞ。 | |
→其他人在找你呢。 | |
あとの仕事は俺が全部やっておくから、お前は早くあいつらのところに行ったほうがいいんじゃないのか? | |
→之后的工作都交给我吧,你也快点去他们那里好比较好吧。 | |
ここで休んでから? | |
→想在这里休息一下? | |
んん~じゃ、気の済むまでここいいればいい。 | |
→恩~那就在这儿休息到你满意为止吧。 | |
俺は別にかまわない。 | |
→我无所谓。 | |
頷く彼女を見ていると、胸の奥が締め付けられる。 | |
→看到她点头,我的心都被揪紧了。 | |
---家にありしに櫃に鍵刺し蔵めてし恋の奴の掴みかかりて--- | |
→『恋业障,家中藏;柜上加了锁,犹来,扰我肝肠。』 | |
ひつに鍵を閉めて閉じ込めておいたのに、恋する気持ちが出てきて、私に掴みかかる。 | |
→明明已经深深封印的爱恋,还是满溢了出来,将我紧紧困住。 | |
今はありがとう。 | |
→今天…谢谢你。 | |
お前のおかげでいい文化祭にできた。 | |
→多亏了你文化祭才能这么成功。 | |
ありがとう。 | |
→谢谢。 | |
来年は自分たちだけで頑張れよ。 | |
→明年就得你们自己努力了。 | |
もう俺は卒業してていないんだからさぁ。 | |
→因为我毕业就不在了啊。 | |
あ、でも、遊びには来るよ。 | |
→但是,我还是会来玩的。 | |
ほら、そんな顔するなって、ちゃんと約束してやるから。 | |
→好啦,别露出这样的表情嘛,我保证。 | |
小指出せ。もうこれで絶対忘れない。 | |
→来,把小指伸出来……这样就绝对不会忘记了。 | |
俺が卒業したら、もう毎日彼女と顔を合わせることはなくなる。 | |
→一旦毕业,就再也不能每天都见到她。 | |
まだ会えたのに、俺たちはまた離れ離れになる。 | |
→即使见到了,也会再次分离。 | |
きっと俺たちの距離はずっとこのままなのだろう。 | |
→我们之间的距离就会一直这么遥远吧。 | |
たとえ、赤い糸で繋がってでも、その距離は永遠に縮まることはない気がした。 | |
→总觉得,就算红线相连,那距离也永远缩短不了。 |
万叶恋歌-椿之章07
看板の片づけをして、ズボン濡れになってしまった俺たちは、そのまま生徒会室に戻ってきた。 | |
→ | |
へへえ~ | |
→ | |
お互いずいぶん濡れたなぁ。 | |
→ | |
ほら、これ着ておけ。 | |
→ | |
何だ、変な顔して、俺のジャケットだ。 | |
→ | |
貸してやるからありがたく着てろ! | |
→ | |
俺か? | |
→ | |
俺なら大丈夫だ。 | |
→ | |
気にするな。 | |
→ | |
ほら、こっち来い! | |
→ | |
そこじゃ寒いだろう。 | |
→ | |
肩震えてる。 | |
→ | |
待ってろ。 | |
→ | |
俺のタオルあるから、今髪拭いてやるよ。 | |
→ | |
へい、どうだ? | |
→ | |
俺が愛情込めて拭いたから、すぐに乾いただろう。 | |
→ | |
濡れたままでいると、風引くからな。 | |
→ | |
本当は看板しまうのだって、男の俺に任せておけばいいのに。 | |
→ | |
まったく、お前が風引いたら、生徒会のみんなが困るだろう。 | |
→ | |
ふう、でも、それはお前のいいところだけどな。 | |
→ | |
---ぬばたまの我が黒髪を引きぬらし乱れてさらに恋いわたるかも--- | |
→ | |
私の黒髪を引き解くように、心乱れて貴方を思い続ける。 | |
→ | |
彼女は確かに俺の初恋の女の子だ。 | |
→ | |
でも、いろいろな彼女を知れば知るほど、俺は自分に自信がなくなっていく。 | |
→ |
万叶恋歌-椿之章06
いよいよ今日は文化祭の日だ。 | |
→今天终于迎来了文化祭。 | |
生徒会役員は交替で校内の見回りすることになっている。 | |
→按规定,学生会成员必须轮班在校内巡视。 | |
まだ入ったばかりの彼女は俺がサポートするということで、一緒に見回りすることになった。 | |
→为了照顾新来的她,我决定和她一起巡视。 | |
人、多いなぁ~何か見たいところとかあるか? | |
→好多人啊~有什么想逛的地方吗? | |
特にない? | |
→没有? | |
正直に言ったほうがいいぞ。 | |
→说实话比较好哦。 | |
この後も仕事あるから、ゆっくり見られるのは今のうちだけだ。 | |
→一会还有工作,能慢慢逛的就只有趁现在。 | |
そうだ。お前、見回りの後は暇か? | |
→对了,巡视过后你有时间吗? | |
って聞かなくてもどうせ暇だろう。 | |
→不用问,你肯定很闲。 | |
一緒にうちのクラスのお化け屋敷に入らないか? | |
→要不要一起去咱班的鬼屋? | |
嫌だ? | |
→不要? | |
どうして? | |
→为什么? | |
なるほど。 | |
→原来如此。 | |
怖いのが苦手なのか。 | |
→害怕恐怖的东西吗。 | |
ふう、って、お前は子供か。 | |
→呵~,你是小孩子吗。 | |
でも、まぁ~女なんだから、そのぐらいのほうが可愛いけど。 | |
→不过~女孩子嘛,这样也挺可爱就是。 | |
その時、ふと中庭に目をやると、急に雨が降り出しているのが見えた。 | |
→这时,望了一下庭院,外面突然下起雨来。 | |
雨? | |
→下雨了? | |
まずい! | |
→糟糕! | |
外に出してある看板が濡れる! | |
→外面的告示牌会被淋湿! | |
俺が濡れるって? | |
→我会淋雨? | |
そんなこといい! | |
→没关系! | |
中に入れるほうが先だ。 | |
→一定要先把它拿进来。 | |
あ、お前は来なくていい。濡れるだろう。 | |
→啊,你不用跟来,会淋湿的。 | |
そこで待ってろ。俺が一人で片付けるから。 | |
→在那儿等着,我一个人收拾就好。 | |
俺は雨の中を走った。 | |
→我在雨中奔跑。 | |
校門には生徒会役員が一生懸命作った看板が出してやる。 | |
→校门口放着学生会成员拼命做好的告示牌。 | |
彼女がデザイン案を出して、夜遅くまで残って作ったものだ。 | |
→是她提出的设计方案,并且一直做到了深夜。 | |
雨なんかに濡れてほしくない。 | |
→我可不想让它被雨淋湿。 | |
俺は雨の中、看板を一人で片付け始めた。 | |
→我独自在雨中收拾着告示牌。 | |
早く入れないと、雨に濡れて全部壊れる。 | |
→再不快点拿进去,就要被雨淋坏了。 | |
くそ!重いなぁ~ | |
→可恶!还好重啊… | |
予想以上に看板が重い。 | |
→比我想的重多了。 | |
俺は力いっぱい持ち上げようとした。 | |
→我卯足力气往上提 | |
その時、先まで重かった看板が軽くなった気がした。 | |
→就在这时,原本很重的告示牌变轻了。 | |
顔を上げるとそこには彼女がいた。 | |
→抬起头,看到了她。 | |
バ~カ! | |
→傻瓜! | |
来るなって言っただろう! | |
→说了不叫你来了! | |
本当にお前は…… | |
→你真是…… | |
ほら、行くぞ! | |
→好了,走吧! | |
セーノ | |
→一~二~ | |
俺たちは黙ったまま、雨の中夢中で看板を運んだ。 | |
→我们就这样沉默着,在雨中搬动着告示牌。 | |
彼女が走るたびに、水しぶきが揚がる。 | |
→她每走一步就会溅起一片水花。 | |
髪を濡らした水滴が頬を伝っていく。 | |
→水滴从湿润的发际流到脸颊。 | |
その姿が綺麗に見えた。 | |
→这样的她,好美。 | |
俺の初恋の女の子はこんなに綺麗だっただろうか…… | |
→我初恋的女孩竟然会如此美丽吗…… | |
---わが情焼くもわれなり愛しきやし君に恋ふるもわが心から--- | |
→『烧我心者,是自己;恋君情意,自我心起。』 | |
この葛藤も、熱い思いも、どちらの思いも、私の心の中から生まれたもの。 | |
→这份纠葛也好,炙热的想念也好,无论哪种心情,都是由我心中萌生。 | |
彼女は…… | |
→她…… | |
まさか、初恋の女の子じゃない? | |
→难道不是我初恋的女孩? | |
いや、でも…… | |
→不,但是…… |
万叶恋歌-椿之章05
彼女と出会ったあの日は、まだ夏の暑い目差しにむせ返るほどだったのに。 | |
→和她相遇的那天,还是热辣的阳光晒得人喘不过气的盛夏。 | |
いつの間にか、外には秋の涼しい空気が漂っている。 | |
→然而不知何时,外面已经渐渐充满秋天的凉爽气息。 | |
彼女も生徒会に入ることを了承してくれて、今日は書記として、ほかの役員に負けないぐらいよく働いている。 | |
→她也接受了学生会的工作,现在作为书记,工作已经做得和其它成员一样出色。 | |
ん~、職員室に書類は出したし、生徒会室に戻るか。 | |
→恩~要把书搬去办公室,还是先回学生会议室吧。 | |
あっ!すみません!書類、今拾います。 | |
→(撞)啊!对不起!我马上把书捡起来。 | |
って、お前かぁ。 | |
→诶,是你啊! | |
ずいぶんたくさん持ってるなぁ。 | |
→拿的可真不少。 | |
一人じゃ重いだろう。 | |
→一个人搬很重吧。 | |
貸せ。俺が持ってやる。 | |
→给我吧,我帮你拿。 | |
そうだ。お前、小さい頃雪の多いの町に住んでたことはないか? | |
→对了。你小时候有没有在一个到处都是雪的城市住过? | |
転勤が多かったから、よく覚えてない? | |
→经常搬家,所以记不清了? | |
ん、そっか。 | |
→恩,这样啊。 | |
俺、昔お前によく似ってる女の子に会ったことがあるんだ。 | |
→我以前遇到过一个和你很像的女孩 | |
だから、お前を一目見て、その子だと思って、最初声をかけた。 | |
→所以,第一眼见到你时还以为是她,就主动和你说话了。 | |
なんて言ったらいいか分かんないけど。 | |
→我也不知该怎么说才好 | |
会った瞬間に運命を感じたんだ。 | |
→只是相见的一瞬间有种命中注定的感觉。 | |
お前は運命とかって信じる? | |
→你相信命运这种事吗? | |
ふんふん~赤い糸は信じてるって。 | |
→呵呵~居然相信命运的红线 | |
可愛いところもあるじゃなか。 | |
→你不是也蛮可爱的嘛。 | |
俺も信じてる。 | |
→我也相信。 | |
だって、すれ違っただけでも、一緒忘れられない出会いになることがあるから。 | |
→就好像虽然擦肩而过,却成了终生难忘的邂逅这种事 | |
それって、運命だと思わないか? | |
→你不觉得这就是命运吗? | |
お前を初めて見た瞬間、俺は自分の運命の赤い糸がお前と繋がってる。そう思ったんだ。 | |
→见到你的瞬间,我就感到我命运的红线是与你相连的。 | |
でも、俺だけがそう思ってても仕方ないよなぁ~ | |
→但是,就算只有我这么想,也是没办法的事。 | |
---にほ鳥の息長川は絶えぬとも君に語らむ言尽きめやも--- | |
→『息长川[地名];纵然河水断,共君语,岂尽言。』 | |
川の流れは尽きることがあっても、貴方に話したいことは尽きない。 | |
→即便海已枯石已烂,想对你说的话也不会有穷尽的时候。 | |
俺は初恋の女の子を思うたびに、まるで失恋をしたような気持ちになった。 | |
→每当我想起初恋的女孩,就会有种失恋的感觉。 | |
でも、今は違う。 | |
→但是,现在不同了。 | |
彼女が思い出さなくても、また一緒にいられるだけで、俺は嬉しかった。 | |
→就算她无法想起我,只要还能在一起,我就很开心了。 | |
彼女が全部思い出した時、俺はもう一度言いたい。 | |
→在她回忆起一切的时候,我想再说一次… | |
お前のことがずっと好きだったって…… | |
→我一直就很喜欢你…… |
万叶恋歌-椿之章04
授業が早めに終わった俺はいつもより早く生徒会室に来ていた。 | |
→早早的结束课程,我比平时更早地到了学生会室。 | |
は~あいつ、くるかなぁ…… | |
→啊~她会来吧…… | |
我ながら、ちょっと強引過ぎたか? | |
→连我自己都觉得有点霸道了。 | |
いや、でも、あそこで声をかけなかったら、もう二度と会えないような気がしたし。 | |
→但是,总感觉如果那时不说,就再也没有机会见面了。 | |
その時、生徒会室のドアが開いて、一人の女子が入って来た。 | |
→就在这时,学生会室的门打开了,一位女生走了进来。 | |
あ!来たか。 | |
→啊!你来了。 | |
まぁ~空いてるの席に座れ。 | |
→嘛~找个空位坐吧 | |
席を勧めても、彼女はすぐに帰るからと言って座らなかった。 | |
→虽然我给她让座,可她还是说很快就回去了,并没坐下。 | |
沈黙に我慢できなくなった俺は、自分から小さい頃の話を切り出した。 | |
→无法忍受沉默的我,自顾自地说起了小时候的故事。 | |
お前……俺を見て、何にか思い出さないか? | |
→你……看到我,没想起什么吗? | |
そんなところからじゃ見えないだろう。 | |
→在那里的话什么都看不到吧。 | |
ほら、もっと俺の近くに来い! | |
→来,再靠我近一些! | |
俺の目を見て! | |
→看着我的眼睛! | |
どうだ? | |
→怎么样? | |
何か思い出さないか? | |
→想起什么了吗? | |
雪だるまとか…… | |
→像雪人之类的…… | |
何?何のことか分らない? | |
→什么?不明白我在说什么? | |
あ、そっか…… | |
→啊,这样啊…… | |
はぁ、いや、何でもないんだ。 | |
→哈,不,没什么。 | |
そんな大したことじゃないから。 | |
→也不是什么重要的事情。 | |
俺の言葉に彼女は考え込むように黙ってしまった。 | |
→对于我的话,她像是陷入了思考,一直没有做声。 | |
もしかしたら、心の中ではこう思っていたのかもしれない。 | |
→或许,是因为她的心中也是这么认为的吧。 | |
---道の辺の草深百合の花へ笑みに笑みしがからに妻と言べしや--- | |
→『路边草丛,百合花放;只凭付之一笑,即可称妻房?』 | |
笑いかけたことに深く意味はない。 | |
→脸上带着笑容并没有特别的意味。 | |
ほんの少し笑いかけただけで、勘違いしないで。 | |
→只是稍微笑一下而已,请不要误会。 | |
彼女が思い出せないのは仕方ない。 | |
→她想不起来也是没办法的事。 | |
俺だって、彼女が初恋の人じゃなかったら、今まで覚えてなかった。 | |
→就算是我,若她不是我的初恋,也不会到今天都一直记得。 | |
でも、俺は彼女がどう思うと、一度会えて嬉しかった。 | |
→但是,不管她怎么想,能再度相见,我还是很开心。 | |
確証なんてないけど。 | |
→虽然没什么证据 | |
俺は少しでいいから、自分の運命を信じてみたい…… | |
→我还是想试着相信自己的命运,一点点就好…… | |
なぁ~おまえー、生徒会とか興味ないか? | |
→呐,你对学生会有兴趣吗? | |
文化祭の準備をしてるんだけど、人が足りないんだ。 | |
→因为要准备文化祭,正缺人手 | |
よかったら、入ってみないか? | |
→可以的话要不要加入看看? | |
彼女が顔を上げて、少し考えてみると答えた。 | |
→她抬起头,回答说:我考虑一下。 |
万叶恋歌-椿之章03
今日は生徒会長の俺が全校生徒の前で新学期の挨拶をする日だ。 | |
→今天,是身为学生会长的我在全校师生面前为新学期致辞的日子。 | |
体育館に着くと、もう生徒が並んでいる。 | |
→等我赶到体育馆时,学生们都已队列整齐了。 | |
俺はそれを横目に見ながら、舞台そでへとに入った。 | |
→我一边用余光扫视着周围,一边走入了后台。 | |
ああ~ごめん。 | |
→啊,对不起。 | |
目覚ましがならなかった。 | |
→没能准时起来。 | |
何?もう出番なのかぁ? | |
→什么?已经轮到我了? | |
舞台そで集まっていたほかの生徒会役員に早くと背中を押される。 | |
→聚集在后台的其他学生会成员一边说着快点一边推着我的背。 | |
俺はまっすぐ舞台へ進み出た。 | |
→我直接冲到了台。 | |
生徒、先生、体育館内にいる全員の視線が一斉に俺に集まる。 | |
→学生、老师、在体育馆内所有人的目光一下集中到我身上。 | |
みんな、おはよう。 | |
→各位,早上好。 | |
まだ夏休みでだれてる奴もいるか? | |
→还有谁沉浸在懒散的暑假中吗? | |
でも、今学期は文化祭もあるし、だらけてる暇ないぞ! | |
→不过,这学期有文化祭,可没时间偷懒哦! | |
そろそろそっちの準備も進めていくから、みんなよろしくな! | |
→马上就要开始进行准备,还靠大家多多支持啊! | |
簡単な挨拶をして、俺は深くお辞儀をした。 | |
→简单的演讲过后,我深深鞠了一躬。 | |
すると、体育館内から一斉に拍手が起こった。 | |
→瞬间,体育馆里响起了热烈的掌声。 | |
ふう、こんなんもんだろう。 | |
→哼,也就是这么回事。 | |
退場しようとしたその時、拍手をする生徒の中で、一人、目に留った女の子がいた。 | |
→正当我准备下台的时候,正在拍手的学生中,一个女生吸引了我的注意。 | |
その女の子を俺はどこかで見たことがある。 | |
→我好像在哪里见过那个女生。 | |
廊下? | |
→走廊? | |
学食? | |
→食堂? | |
いや、違う…… | |
→不,不是…… | |
まさか、いや、でも…… | |
→难道……不,可是…… | |
俺は自分の目を疑った。 | |
→我怀疑自己的眼睛。 | |
彼女は俺が今朝夢で見た初恋の女の子によく似っている。 | |
→她很像今晨梦中的那个初恋女孩。 | |
性格に覚えているわけじゃない。 | |
→并不是记得特别清楚 | |
でも、彼女を見た瞬間、懐かしいようなものを感じた。 | |
→只是,见到她的瞬间,我感到了久违的熟悉。 | |
俺はもう一度彼女の姿をしっかり見ようと、引き返してマイクを握った。 | |
→为了再一次看清她的模样,我返回又握起了话筒。 | |
その女子、そう、お前だ。 | |
→那边的女生,对,就是你。 | |
何年生だ? | |
→几年级的? | |
二年生か。 | |
→二年级啊。 | |
部活は? | |
→哪个社团的? | |
入ってない? | |
→没加入? | |
なら、今日から生徒会に入れ。 | |
→那么,你今天就进学生会。 | |
下校後生徒会室で待ってる。 | |
→放学后我在学生会室等你。 | |
以上だ。 | |
→完毕。 | |
体育館内が騒然となった。 | |
→体育馆里一阵骚动。 | |
俺はそのどよめきをせに、舞台そでへとに戻った。 | |
→我没有理会,返回了后台。 | |
こんな運命って、本当にあるのか! | |
→命运这种事,真的有吗? | |
彼女は本当に初恋の女の子なのか? | |
→她真的是我初恋的那个女孩吗? | |
気になる…… | |
→很在意她… | |
話したい…… | |
→想和她说话… | |
直接会って、話せば、何かがわかるかもしれない…… | |
→直接见面,和她聊聊的话,或许就能知道些什么…… | |
---海原の根柔ら小菅あまたあれば君は忘らすわれ忘れや--- | |
→『海边根柔菅茅多;君可忘我,于君,我难忘却。』 | |
気になる人が大勢いるから、私は貴方のことを忘れかけていたのかもしれない。 | |
→因为有太多在乎的人,我可能差一点就要忘记你了…… | |
これから、二人にどんな未来が待っているのか。 | |
→今后,什么样的未来在等待着我们 | |
俺たちはお互いの運命の赤い糸がまだ誰の小指に結び付いているのかを知らない。 | |
→我们之间命运的红线又会系在谁的小指,这些都还未知。 |
万叶恋歌-椿之章02
俺には忘れられない初恋の女の子がいる。 | |
→我有一个无法忘记的初恋女孩。 | |
出会ったのは雪が多い地方にある母親の実家へ遊びに行った時のことだった。 | |
→第一次相遇是我去外婆家玩的时候,那是一个到处都是雪的地方。 | |
雪だるま作ったらおばあちゃん喜んでくれるかな~ | |
→要是堆个雪人的话外婆也会开心吧 | |
ふんふん、楽しみ。 | |
→哈~~好期待呀。 | |
あ、ああ、でも一人じゃ頭が乗っからないよ。 | |
→啊…~~可是我自己没办法把头装上去。 | |
ん、んんん、あ~ | |
→恩…嘿咻…… | |
ああ、やっぱり一人じゃ持ち上がらない。 | |
→哎~,果然一个人还是搬不动。 | |
どうしよう? | |
→怎么办呢? | |
……えっ、ええ、女の子! | |
→……诶?哦!女孩子。 | |
ねぇ~どこの子?どこから来たの? | |
→那个,你是哪儿的?从哪里来的? | |
これ? | |
→这个? | |
あのね、雪だるまの頭が重くてね、持ち上がらないの…… | |
→这个啊,因为雪人的头太重了,我搬不起来…… | |
へへい?へい!手伝ってくれるの?! | |
→唉!你要来帮我吗?! | |
稲搗けば かかる我が手を今夜もか 殿の若子が 取りて嘆かむ | |
→『侬把稻捣,手皴裂了;少爷今夜来,拉手叹息瞧。』 | |
あかぎれるこの手を、今夜も美しい人がとって、可哀相だと悲しむのだろう…… | |
→今夜,丽人也会怜悯地牵着这双皴裂的手而悲伤吧。 | |
んん、できた! | |
→嘿~咻~哈哈~做好啦! | |
君が手伝ってくれたから雪だるま完成した~! | |
→多亏了你的帮忙,雪人总算完成啦~ | |
ありがとうねぇ! | |
→谢谢你啊! | |
まだ一緒に雪だるま作ろう。絶対だよ!約束の指きり。 | |
→下次再一起堆雪人吧,说定喽!来拉勾勾。 | |
へへえ、お母さんが約束する時はこうするって教えてくれたんだ。 | |
→嘿嘿,妈妈说过约定的时候就要拉勾勾。 | |
あっ、待って、どこ行くの? | |
→啊,等一下,你要去哪儿? | |
ああ、行っちゃった。 | |
→啊……走掉了。 | |
ええ、何これ? | |
→唉,这是什么? | |
あっ、綺麗なブローチ、椿の花みたい。 | |
→好漂亮的胸针,像山茶花一样。 | |
あの女の子のものかなぁ…… | |
→是那个女孩的吧…… | |
(時計の音) | |
→(闹钟音) | |
あああ~んん、もう朝か。 | |
→啊~(哈欠兼懒腰)~已经早上了啊。 | |
初恋の女の子が夢に出てくるなんて、久しぶりだな。 | |
→好久没有梦到初恋的女孩了。 | |
向こうは覚えてるのかなぁ。 | |
→她是不是还记得呢? | |
いや、一回しか会ったことないし、もう覚えてないだろうな…… | |
→不,只是见过一面而已,已经忘记了吧…… | |
ふと、机に置いてある椿の花のブローチが目に留った。 | |
→忽然,放在桌子上的山茶花胸针映入了眼帘。 | |
女の子が帰った後、椿の花のブローチが落ちていた。 | |
→女孩离开的时候,掉落的这个山茶花胸针。 | |
どうやら忘れものらしい。 | |
→不管怎样,好像是被遗忘的东西了。 | |
初恋の人のものをずっと取っておくなんて、女々しいよなぁ。 | |
→一直保存着初恋对象的物品,还真是没出息啊。 | |
って、こんなこと考えてる場合じゃない! | |
→话说,现在可不是考虑这种事情的时候! | |
いま何時だ? | |
→现在几点了? | |
ヤ~バイ!今日は大事な日だった。早く行かないと! | |
→糟糕!今天可是很重要的,不快点的话~! | |
俺は急いで布団から飛び出し制服に着替えると、カバンと椿の花のブローチを掴んで、学校へと急いだ。 | |
→我立刻跳出被窝,穿上校服后,抓起书包和胸针就冲向学校了。 |
万叶恋歌-椿之章01
昔からたくさんの人に読まれ続けてきた万葉集、お前も読んだことぐらいはあるだろう。 | |
→自古以来就被广为传唱的《万叶集》,想必你多少也读过了吧。 | |
何? | |
→什么? | |
読んだことない?! | |
→没读过? | |
おいおい、しっかりしてくれよ。 | |
→喂喂,你也该给我长进些了吧。 | |
今から始まるのは万葉集の和歌を基にした恋物語。 | |
→下面要开始讲述的,就是以《万叶集》中的和歌为脚本的爱情故事 | |
お前にも分かるように、俺がしっかりと教えてやるから覚悟しとけぇ! | |
→为了让你也能明白,我会好~好~地教你的,做好准备吧你! | |
俺の声だけを聞け。 | |
→只听我的声音。 | |
いいな。 | |
→可以吧。 | |
分かったか? | |
→明白了吗? | |
目を閉じれば、もう俺たちだけの世界だ。 | |
→闭上眼睛的话,这就是我们两人的世界。 |
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